2020/12/13 11:38



小さな小さな弊店のアンティークジュエリーを気にかけて下さっている皆様にいつも感謝の気持ちを持って日々ジュエリーと向き合っております。

本当にありがとうございます。 


さて、前回は私が高校生の時に父は脱サラし、アンティークショップをオープンした事をお話しいたしましたね。


さてガレリア アルタミラはどのような感じだったでしょうか。


場所は東京都三鷹市、JR三鷹駅から徒歩8分程の路面店でした。

小さいながらもゴージャスな内装のお店に灯りが燈ると更にゴージャスに見え、その中には外国の女性()と日本人の男性()

きっとドアを開けるのに勇気が必要だったお店かと思います。何せ店内に置いてある物は高価そうな上、このお店は日本語が通じるの?と通り過ぎる人々は思ったに違いありません。(笑)


元々母はスペイン人特有の社交的な性格とあって、お友達も多く、時はバブルという事もあり、人が人を呼ぶという口コミ連鎖でお店は気付けばマダム達の社交の場と化しておりました。笑

ちょうど子育てが終わった40代位のお客様が多く、皆様アンティークに囲まれている両親のお店でお喋りに花を咲かせ束の間のひと時を過ごされておりました。まだまだ専業主婦がメインの時代とあり、正に有閑マダムが多く存在していたのです。今ではちょっと想像がつかないですよね。


当初ジュエリーは扱わず主にセーブル、マイセン、ローヤルウースター、ガレ、ドーム、KPMなどなどの瀬戸物の装飾美術品を中心に、フランスアンティーク家具やスペインの絵画を扱っており、大きな壺や家具がまだまだ売れた時代だったのでした。





大きなコンテナーが年に数回到着し、直接それがお店に運ばれてくるのでその開梱作業の大変な事!全てしっかりとした木の箱に釘で打たれてくるので、それを開梱する作業は正に肉体労働そのものでした。

夏の暑い日は休み休み水の代わりにビールを片手に父は汗をかきかき作業をしておりました。笑


そんな中私のスペインの祖母が発した単純な一言、「アンティークジュエリーを扱ってみたら?持ち運びも楽だし。現代のジュエリーって素敵な物が少ないし」がきっかけで両親のお店でアンティークジュエリーを扱うようなったのです。

見たこともないデザインの物が次々と店に並び、現代のジュエリーとは違ういにしえの美しいジュエリーを初めて手にしたお客様はすっかりアンティークジュエリーの虜となってしまったのでした。 

これなら旦那に内緒で買える!というお客様もいらっしゃいました。()

確かに美術品に比べて場所をとらないので、バレないですよね。()

今のように溢れんばかりの情報時代でなく、まだアンティークジュエリーショップが沢山はなかったので、きっとはじめてアンティークジュエリーを目にし、手に取った時の感動って今以上に凄かった事と思います。


お店はおかげさまで私の心配をよそに、少しずつ顧客様が増え、両親が買い付けてきた商品を早く見たい!という方々で賑わい、まだまだ私を養わなければならないにも関わらず脱サラした父にちょっぴりハラハラしていた私でしたが、心配する事なくすんだのでした。


前回同様、宝石に全く関係ない内容の物を最後までお読み頂き本当にありがとうございます。感謝を込めて終わりに致します。


※写真は私が両親のお店を手伝っていた時のものです。親子で真っ赤な口紅をして時代を感じますよね!(笑)