











時を超えて語る微細の美―19世紀 細密画ブローチ
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時代 19世紀半ば頃
素材 9金
サイズ 23.5mm
重さ 7.3g
こちらは19世紀に制作された、優美な円形の細密画ブローチ。
中央には、柔らかな表情を湛えた貴婦人の肖像が極めて繊細な筆致で描かれています。
透明なカバーガラスの下に広がるわずか数センチの世界は、静かな世界。
このブローチに描かれているのは、ふわふわ髪に青いリボンをあしらった気品ある女性。その髪型と服装から、18世紀後半のフランス宮廷風のスタイルが見て取れます。
胸元には小さなバラの花、そして肩には淡く透けるレースのショール。
花やレースといった儚くも贅沢なモチーフは、当時の貴婦人が大切にしていた美意識や身分の象徴として描かれました。
人物が誰であるかは明記されていないものの、ディーラーさん曰く、エリザベート・フィリップ・マリー・エレーヌ・ド・フランス、エリザベート夫人(1764–1794)を写したものだと。
このようなミニアチュールが特に人気を博したのは、18世紀後半から19世紀中頃にかけてのことです。写真技術が登場する以前、人々は大切な人の姿を身近に留めておくため、ポートレート・ミニアチュールをペンダントやブローチに仕立て、日々身に着けたり、旅行先に携えていたのです。
それは恋人や配偶者、家族の愛情の証であり、ときには亡き人の追憶を宿した「ポータブルな肖像画」でもありました。
素材としては、象牙やヴェラム紙など滑らかな下地が使われ、極細の筆で、色を重ねながら肌や髪の質感、布の透け感までを描き分けました。
肖像の生命感を引き出すために、画家たちは膨大な時間と集中力を注ぎ込んだ事でしょう。
このブローチに描かれた女性も、髪の毛のふわふわ感、頬のほのかなピンク味、赤いルージュ、瞳の奥の光までもが、丹念に描き出されています。
背景はごく淡く描かれ、人物の気品と存在感を際立たせていますね。
現代の印刷技術では決して再現できない、人の手による精緻さと温かみが宿っています。
やがて19世紀後半になると、写真の実用化により、ミニアチュールは急速に衰退していきます。
このブローチもまた、「忘れられた一人の女性」を今に伝える、静かな肖像の詩のようです。
このミニアチュールの彼女がエリザベート夫人か定かでありませんが、過ぎ去った時代を時を超えて私たちに語りかけてくるのです。
小さなサイズ感も、さりげなくて素敵ですよね。
この小さなブローチを胸に留めると、
描かれた女性の微笑みに励まされるような、
時を超えてそっと寄り添ってくれるような、静かな強さを感じる気がします。
目立たずとも、確かにそこにいてくれる存在――
言葉にせずとも心を汲んでくれる、良きパートナーのように。
このミニアチュールはただの装飾ではなく、そっと力を貸してくれる、密やかな守り人のような存在になりそうですね。
※ 写真と実物ではサイズ感が違います。あらかじめ上に記載のサイズを必ずご確認下さい。
※ 150年以上前の古いお品になりますので、経年によるアンティーク品特有の微小なスレなどルーペで見てわかる程度にございます。カバーガラスにカケや目立つキズはございません。
時代を考えても全体的にみて状態はとても良好です。
但しアンティークのお品であることをご理解のうえご注文お願いいたします。
アンティーク品に対して現行品の様な無傷で完璧な物をお求めになりたい方はアンティークジュエリーのご購入をお控え頂きたく存じます。
m(_ _)m
※ 初めての方のお取り置きは致しておりませんのでご了承下さいませ。
※当店の商品(アンティーク)は、新しく作られる量産品と異なり、経年変化によるキズ、変色、汚れなどは欠陥にあたりません。また、アンティークの年代や素材の純度等は、ディーラーからの情報、デザイン、素材、構造、刻印等から推測されたものであり、あくまでも目安としてお考え下さい。
FW140921-16
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