風をまとう宿り木 ― FIXのアールヌーヴォーブローチ
¥39,800($251.17)
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時代 19世紀末
素材 パール、10金、金張
サイズ 68mm×10mm
中心のパールサイズ 約2.5mm
重さ 4g
まるで風にそよぐ一枝を、そのままジュエリーにしたようなブローチ。
モチーフとなっているのは、白い実をつける宿り木。
宿り木は、冬になっても緑を保つことから、古くより生命力や幸運、再生などを象徴する植物として親しまれてきました。
フランスでは新年の習慣とも結びつき、アールヌーヴォー期のジュエリーにも好んで取り入れられた植物のひとつです。
けれど、このブローチの魅力は、単に「宿り木を写した」ことではありません。
葉や小さなパールの実は、その流れるような曲線の中に軽やかに配されています。
植物という静止したモチーフでありながら、そこには「風」が感じられる。
直線的なバーブローチのフォルムと、植物のしなやかな曲線。その静と動のコントラストこそ、この作品の美しさです。
そして裏側には、
A.S. / DOUBLÉ
の刻印。
これはフランスの老舗Savard社と、そのブランド「FIX」に繋がる重要な刻印です。
Savardは19世紀から「doublé d'or(金張り)」を手がけた工房で、doubléを用いた製造については19世紀半ばに特許も取得しています。
そして1862年のロンドン万博では、その技術がdoublé製造を大きく発展させたとして高く評価されています。
つまり、単なる安価な金メッキ製品ではないという事です。
高価な無垢金のジュエリーと、安価な模造品との間を埋めるものとして、当時のフランスで高く評価された、Savard独自の高度な金張り技術だったのです。
現在一般的に「金メッキ」と呼ばれるものを想像すると、この作品の魅力は伝わりきらないかもしれません。
金の層を母材に強固に接合するdoubléによって生まれる、深みのある金の表情。
そして100年以上の時を経た今も、その表面は驚くほど美しく、まるで無垢のゴールドジュエリーを思わせるような豊かな光沢を残しています。
さらに今回、この作品にはもうひとつ小さな謎がありました。
「A.S. / DOUBLÉ」の刻印から、当初は一般的なFIXのdoublé製品として考えていましたが、実際に日本の専門業者に地金チェックを依頼したところ、10金(K10)との判定が出ました。
実際、FIX/Savardの「A.S. DOUBLE」の刻印を持ち、10K gold on brassとされる製品も確認されています。したがって、このブローチも10金の金層を用いたdoubléである可能性があります。
むしろ、どのような金品位の金を使ったとしても、それをこれほど美しく、そして100年以上もの時を経てなお豊かな表情を保つ金張りとして仕上げたこと。
そこに、Savardが長年培った技術力の面白さがあります。
小さな宿り木のブローチの中に、
自然へのまなざし。
アール・ヌーヴォーの流れる曲線。
そして19世紀フランスの高度なdoublé技術。
その三つが静かに重なっています。
※ 100年程前の古いお品になりますので、経年によるアンティーク品特有の微小なスレなどルーペで見てわかる程度にございます。パールにカケはございません。
時代を考えても全体的にみて状態はとても良好です。
但しアンティークのお品であることをご理解のうえご注文お願いいたします。
アンティーク品に対して現行品の様な無傷で完璧な物をお求めになりたい方はアンティークジュエリーのご購入をお控え頂きたく存じます。
m(_ _)m
※ 初めての方のお取り置きは致しておりませんのでご了承下さいませ。
※当店の商品(アンティーク)は、新しく作られる量産品と異なり、経年変化によるキズ、変色、汚れなどは欠陥にあたりません。また、アンティークの年代や素材の純度等は、ディーラーからの情報、デザイン、素材、構造、刻印等から推測されたものであり、あくまでも目安としてお考え下さい。
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